液状化が起こる仕組みを踏まえて、地盤改良工法ごとに液状化を防ぐ仕組み、リスクやメリットの違いを分かりやすく解説しています。土地の資産価値を守りながら、地盤強化と液状化対策を同時に行えるおすすめの地盤改良工法も掲載しているので、参考にしてみてください。
通常の地盤では、砂と砂の粒子がかみ合い、その隙間は水で満たされ、安定を保っています。
地震の振動や衝撃を受けると、せん断変形(平行方向の負荷による変形)によって粒子のかみ合いが外れ、液状化してしまうのです。液状化しやすい傾向として、地下水面が地表に近い地盤、ゆるい砂質土、透水性が低くて排水に時間がかかる粘性土などが挙げられます。
地盤改良による液状化対策は、基本的に「締固め工法」「固化工法」「排水工法」のいずれかに分類されます。
固化工法の例 | 浅層混合処理工法、深層混合処理工法、薬液注入工法等(全てセメント) |
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地盤をセメントで固結して
液状化を抑制する工法の総称
地震等の影響で粒子のかみ合いが外れて液状化した地盤に対し、セメントや薬液を注入・混合して固結する流れ。透水性の低いセメントで粒子を固結するため、改良土そのものが液状化しなくなります。
格子上の固化工法で囲った地盤は、せん断変形(平行方向の負荷による変形)に強く、過剰間隙水圧の発生(排水できない地盤粒子の隙間にかかる水圧)を制御できるのが特徴です。
締固め工法の例 | 振動締固め工法(砂杭)、静的締固め工法(モルタル)等 |
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地盤の密度を高めて
液状化を抑制する工法の総称
密度を高めることで、地盤の支持力やせん断強度(平行方向の負荷に対する強度)も高まるため、液状化の抑制にもつながります。
地盤の密度を高める方法は様々で、振動機を挿入して上下運動で締固めながら砂杭を造成する工法もあれば、セメント・水・砂を混合してできたモルタルをポンプで圧入して、密度の高い砂杭を造成する工法も。
振動を伴う工法は、密度の高い砂杭を造成できる反面、砂杭周辺の地盤強度が低下し、効果が相殺されるケースがあるので注意が必要です。
排水工法の例 | グラベルドレーン工法(砕石)、バーチカルドレーン工法(合成樹脂)等 |
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地盤内にドレーン(水抜き装置)を
造成して液状化を防ぐ工法の総称
地震に伴う過剰間隙水圧の上昇を抑制しつつ消散することで、液状化の発生を防ぎます。
排水工法に分類される工法は複数ありますが、透水性の高い自然砕石の柱をドレーンとする「グラベルドレーン工法」が主流です。
低振動・低騒音なため、振動や騒音が懸念される市街地でも施工可能。施工に伴う地盤変形が小さいので、周辺の建物に影響を与えることなく施工できます。
液状化対策できる地盤改良工法の中でもおすすめなのは、自然砕石を使用して締固めと排水、両方のメリットを得られる「グラベルドレーン工法」です。グラベルドレーン工法は、主に大規模な堤防やビルを建築する地盤の液状化対策として利用されています。
液状化対策と言えばセメントを使用する工法が一般的ですが、セメントに含まれる六価クロムが溶出して、土壌汚染による資産価値低下や健康被害を引き起こすリスクがあるので注意が必要です。
これらのリスクを避けるためにも、自然素材を使った地盤改良工法を選ぶことをおすすめします。
エコジオ工法は三重大学大学院の酒井俊典教授とエコジオ工法協会主催の尾鍋組によって共同開発された工法です。
グラベルドレーン工法と同じ原理でありながら、小型の地盤改良機を使用するため、従来のグラベルドレーン工法では難しいとされていた狭小地の施工にも対応できます。
基本的には地盤の支持力を改良する目的で利用されるものです。液状化対策を目的とする場合は「液状化対策工法 設計・施工マニュアル(案)」に基づき「間隙水圧消散工法」の設計を別途行う必要があります。
サキタ技研は、インフラ事業・地盤改良事業を主軸としている会社です。SDGsに力を入れており、2019年に長崎で初めてエコジオ工法の技術を導入(※2)。環境に配慮しながら、土地の資産価値を守る地盤改良工法として長崎全域に技術を広めています。
サキタ技研が取り扱っているエコジオ工法は、国土交通省が運営する「新技術情報提供システムNETIS」に登録(※3)されており、液状化対策技術に関しては「NETIS震災復旧・復興支援サイト」にも登録済(※4)。震災により液状化が起こった地域の市営住宅で採用された実績(※5)もあり、液状化対策できる地盤改良工法として注目を集めています。
EGケーシングという鋼管(特許取得※6)を使用するため、液状化が懸念される地下水位の高い砂地盤でも、孔壁を崩壊させることなく掘削可能。ドレーンの素材となる砕石は、ケーシングの側面から投入されて先端から押し出されるため、締固める際に軟弱な土砂が混じることなく強固な石柱を実現します。
エコジオ工法による排水性の高さは、盛土の崩壊を防ぐ目的でも活用できる技術として世の中の関心を集め、2022年7月22日にNHK「知っトク!防災」でも取り上げられました(※7)。
会社名 | サキタ技研株式会社 |
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所在地 | 長崎県諫早市松里町1008番地1 |
問い合わせ先 | 0957-46-3566(営業時間:記載なし) |
公式サイト | https://sakita-giken.jp/ |
対応エリア | 北海道、沖縄、離島を除く日本全国 |
長崎県が公開している液状化の危険度(4段階)を示すマップによると、液状化の可能性が極めて大きいのは諫早市(有明海沿岸)。次いで島原市、雲仙市、南島原市(島原半島沿岸)となっています。
これは国土庁防災局「液状化地域ゾーニングマニュアル」の微地形区分図を基に作成されたものであり、あくまでも目安となるものです。
上記のエリア以外でも、盛土や埋立地、河川・池・沼の近辺、海岸砂丘のすそ、過去に液状化のあったエリアなどは、液状化現象が起こりやすい傾向にあります。地盤調査の結果によっては液状化対策できる地盤改良工事が必要になるため、事前に対応できる会社を見つけておくことが大切です。