長崎の地盤調査・改良工事メディア【ジバッテン】 » 生コン(セメント)の価格が高騰している理由

生コン(セメント)の価格が高騰している理由

2020年以降、生コンクリートの価格は上昇し続け、建設費用に大きな影響を与えています。こちらでは、なぜこのような価格高騰が続くのか?という理由と、生コン(セメント)を使わない地盤改良工事について解説していきます。

理由その1:石炭価格の上昇

セメントの原料となる石灰石は100%国内自給できる工業資源です。しかし、石灰石からセメントに製造する「焼成」という工程では大量の石炭が必要になり、その石炭は輸入に頼っています。例えば、セメントを1トン製造する場合は約130kgもの石炭が必要です。

以前はロシアからの輸入に大きく頼っていましたが、2022年にロシア・ウクライナ戦争が勃発し、日本はロシアから輸入を段階的に廃止してオーストラリアやインドネシアからの輸入へ切り替えました。

しかし、これまでロシアから輸入していた石炭を別の国に切り替えたのは日本だけではありません。欧州諸国もオーストラリアなどの国からの輸入に代替したため、石炭需要が集中してしまい、価格が急上昇しているのです。さらに2022年以降の円安事情も、石炭価格の高騰に拍車をかけています。

理由その2:輸送コストの上昇

 

セメントの販売価格を100%とした場合、製造原価は約43%、そして輸送コストは34%ほど費やしてます。つまり、できあがったセメントを輸送する際にかかる燃料費も、セメントの価格に大きな影響を与えているのです。

原油価格は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響やウクライナ侵攻によるロシアの原油供給量の減少を受けて、ここ数年の間に高騰しています。さらに、輸送における深刻な人手不足からの人件費値上げも、輸送費の上昇に影響しているのです。

理由その3:生コンは価格競争が起こりにくい

  

生コンクリートは、全国各地の協同組合に加入している中小企業同士がコンクリートを共同管理し、販売しています。このような生コンクリート協同組合の絶対的販売体制下で価格競争は起こりにくく、今後の値下げを期待することはできません。

また、生コンクリートはJIS規格により、“練り混ぜ開始から1時間半以内に供給しなければならない”という条件が決められています。この規定に対応できる工場の数が限られていることから、工場の選択肢が少なく価格競争が起こりにくいのです。

生コンに留まらず…他の資材も値上げされている

地盤改良と少し離れてしまいますが、生コンだけでなく建築に関わるほかの資材もここ数年で値上げの一途をたどっています。

特に値上がり率が高いものが木材や合板、鉄鉱石などです。価格の上昇が激しい資材に関しては、価格変化が激しいために工事中に追加請求が発生するケースもあります。

価格変動は少しずつ落ち着いてきていますが、輸入に頼る資材は円安の影響が懸念されるため、今後も注視しておく必要があります。

価格高騰が止まる可能性はある?

コンクリートに関する価格高騰は、世界的な情勢や幾つかの要因が関わっているため簡単に解決できる問題ではありませんが、解決に向けての可能性がゼロというわけでもありません。こちらでは問題要因ごとに今後の見通しを紹介していきます。

石炭の調達に関する問題

石灰石からセメントに製造する「焼成」工程に必要な石炭の調達は、ロシアとウクライナ情勢(※)が解決し、ロシアとの関係が改善されれば価格の高騰を止められるでしょう。

それ以外にも、石炭じたいの使用料を減らすという方法も採っているセメントメーカーもあります。二酸化炭素排出の減少を目的にしているものですが、石炭の代替燃料として廃プラスチックを使うため、石炭の調達を減らすことができます。

※2023年12月時点の情報に基づいてまとめています。

他の材料に関する問題

コンクリートを作るには砂の投入も必要ですが、天然資源である砂も不足しています。コンクリートの強度を保てる砂はどんな砂でもよいわけではないため、世界的に建築ラッシュが続く中で枯渇しています。

そんな状況下での希望は、新たな材料を入れずに済むコンクリートの技術の開発といったテクノロジーの進化です。国内では、2022年8月9日に東京大学が100%リサイクル可能な技術開発(※)を発表しています。

輸送コストに関する問題

輸入コストに関わる原油価格ですが、中東情勢の悪化に伴い今後も注視していく必要があります。しかし、2023年10月に1バレル90円前後の高値が少しずつ落ち着き2023年11月終わりから現在(2024年1月6日時点)まで70円台に推移しています。供給量も落ち着き、今後は高くても80円台に落ち着くのではという見方のエコノミストもいるようです。

円安に関する問題

円安の流れを変えるために、日本政府が金利を引き上げれば円安状況を打開できる可能性があります。金利を上げた場合、住宅ローン等の金利も上がるために住宅需要のニーズが減り、全体的な資材価格が下がっていくことも期待できます。

生コン(セメント)を使わない地盤改良工事とは

このように、生コンクリートの価格は国内よりも世界情勢が大きく影響しているため、高騰がしばらく続きそうです。地盤改良工事のコストを抑えたいのであれば、セメントに頼らない工法を検討しましょう。

地盤を掘削して砕石を投入して圧力し締固めをする砕石パイル工法や、鋼製の杭を支持層となる地盤まで垂直に貫入する鋼管杭工法は、セメントを使わずに軟弱地盤を改良できます。

「地盤改良の見積もりが思っていたよりも高かった…」という方は、その改良法がセメント使用によるものなのかを確認すると同時に、別の工法での見積もりも依頼してみてください。

住宅建築・大型建物・インフラ別に選ぶ!
長崎の地盤調査・改良会社おすすめ3選

住宅建築・大型建物・インフラ別に選ぶ! 長崎の地盤調査・改良会社
おすすめ3選

軟弱地盤や災害リスクを抱える土地でも、地盤調査と改良を行うことで、安全で安心な住環境やインフラ整備を実現します。 ここでは、長崎県で地盤調査や改良を行う企業を、「住宅建築」「大型建物の建設」「インフラの地盤改良・補強」に分けておすすめの会社をご紹介します。

【住宅建築】
自然素材の家づくりをする
工務店・ハウスメーカー
サキタ技研
サキタ技研

画像引用元:サキタ技研株式会社公式サイト(https://sakita-giken.jp/)

特徴

  • セメントや鋼管を使わず、自然砕石で地盤を強固にする「エコジオ法」を採用
  • 特許取得済のEGケーシングを使い、従来の砕石パイル工法で問題だった掘削穴の崩壊を防ぎながら地盤を強化

電話で問い合わせる

【大型建物の建設】
強固な地盤が求められる
大型マンション建築のビルダー
ワイテック
ワイテック

画像引用元:ワイテック公式HP(https://www.y-tech.biz/)

特徴

  • 深い支持層まで銅管杭を打ち込む「鋼管杭工法」を採用
  • 深層の硬い層まで杭を打ち込むため、高層ビルや商業施設などの重たい建物に適している

電話で問い合わせる

【インフラの地盤改良・補強】
地盤弱体化で改良・補強が
必要になった自治体
アース
アース

画像引用元:アース公式HP(http://erh21.co.jp/)

特徴

  • 粘土、砂質土、礫質土など、様々な種類の地盤に施工が可能な「薬液注入工法」を採用
  • 浸水性を減少させることができる工法なので、雨水や地下水による地盤の弱体化を防ぐことが可能

電話で問い合わせる